第20回 鎮痛薬・オピオイドペプチドシンポジウム

仙台市青年文化センターに210名の方々の参加をいただきました。

主題1:
Nociceptin/Orphanin FQ の新展開では Nociceptin の中枢での役割及び拮抗薬から創薬への可能性について論じ、今後の応用への期待が伺われた。

主題2:
疼痛治療の現状と展望では非癌性疼痛に対するモルヒネの有効性、モルヒネの耐性を抑制するための他剤併用などの臨床報告が活発に議論された。

主題3:
オピオイド研究の進歩と展望では最近のオピオイド研究に関する発表がなされ、さらなる発展が期待される。

ポスター発表では、ノックアウトマウスを用いての疼痛に関する研究も行われ、遺伝子応用による今後の研究成果が臨床応用への糸口となるかもしれない。


招待講演は寺崎哲也先生によって、中枢作用薬物の脳へのデリバリーシステムの多様性について講演され、聴衆に感銘を与えた。トピックスとして樹林千尋先生によって、強力な鎮痛効力をもつヤドクガエルの皮膚から抽出されたエピバチジン誘導体の構造活性相関及び薬理作用の講演は非麻薬性鎮痛薬の期待を膨らませてくれた。


なお、講演要旨の残部がありますので、ご希望の方は東北薬科大学機能形態学教室・櫻田までご連絡下さい。

 東北薬科大学 機能形態学教室 櫻田 忍
 〒981-8558 仙台市青葉区小松島 4-4-1
 TEL:022-234-4181 FAX:022-275-2013

  • 演題
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    • 「主題(1)Nociceptin/Orphanin FQ の新展開」pdf
       座長:
      佐藤公道(京都大・薬・生体機能解析)
      植田弘師(長崎大・薬・分子薬理)
      1. 「ノシセプチン受容体遺伝子欠損マウスにおける痛覚過敏現象」
        ○井上 誠1、竹島 浩2、植田弘師1(1:長崎大・薬・分子薬理、2:東京大・医・薬理)
      2. 「ノシセプチンとノシスタチンの痛覚反応」
        ○南 敏明1、中野弘行1、阿部浩司2、芦高恵美子3、伊比井信廣2、森 秀麿1、伊藤誠二3(1:大阪医大・麻酔科、2:塩野義製薬・新薬研・薬理評価部門、3:関西医大・医化学)
      3. 「Nociceptin および関連アナログ [Phe1ψ(CH2-NH)Gly2] nociceptin(1-13)NH2に対する分子薬理学的、行動薬理学的解析」
        ○稲村省吾、添田裕子、関 貴弘、中川貴之、南 雅文、佐藤公道(京都大・薬・生体機能解析)
      4. 「マウス脊髄シナプス膜標品によるノシセプチンの代謝」
        ○櫻田 誓1、櫻田 忍2、米澤章彦2、櫻田 司1(1:第一薬大・生化、2:東北薬大・機能形態)
      5. 「Nociceptin/Orphanin FQ による学習・記憶調節機構の解明」
        ○平松正行、井上かおり(名城大・薬・薬品作用)

    • 「ランチョンセミナー」
      • 「がんの痛みを癒す」
        ○高宮有介(昭和大学・医・麻酔緩和ケアチーム)

    • 「主題(2)疼痛治療の現状と展望」pdf
       座長:
      小川節郎(日本大学附属板橋病院麻酔)
      花岡一雄(東京大・医・麻酔)
      1. 「ケタミンによるモルヒネ耐性抑制に関する臨床成績」
        ○合田由紀子(市立札幌病院・麻酔)
      2. 「慢性有痛性良性疾患に対するモルヒネ長期投与」
        ○加藤佳子(山形大・医・麻酔蘇生)
      3. 「慢性難治性疼痛における薬理学的疼痛機序判別試験と治療への応用」
        ○加藤 実(駿河台日本大学病院・麻酔)
      4. 「慢性疼痛患者におけるブプレノルフィン舌下錠の使用状況」
        ○有田英子、山本博俊、内田寛治、角田俊信、井手康雄、矢島 直、花岡一雄(東京大・医・麻酔痛みセンター)
      5. 「小冊子を用いたモルヒネ服薬指導の有無と癌疼痛の除痛率の変化」
        ○平賀一陽(国立がんセンター中央病院・手術部)


    • 「主題(3-1)「オピオイド研究の進歩と展望」pdf
       座長:
      岡 哲雄(東海大・医・薬理)
      岸岡史郎(和歌山医大・薬理)
      1. 「癌細胞移植マウスの疼痛と転移に対する morphine の効果」
        ○笹村 崇1、中村恵暢1、藤猪英樹2、済木育夫2、倉石 泰1 (1:富山医薬大・薬・薬品作用、2:富山医薬大・和漢薬研・病態生化)
      2. 「TRK-820 の鎮痛作用におけるモルヒネとの相乗効果」
        ○田中利明、泉本直樹、鈴木知比古、斉藤顕宣、松浦博敏、川村邦昭、遠藤 孝、長瀬 博 (東レ・医薬研)
      3. 「アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドのオピオイド受容体mRNA 量に対する効果」
        ○吉川正信1、小林広幸1、北村 憲1、矢野 広2、安藤英祐2、小林智美1、牧山 恵1、竹山和秀3、高谷哲夫3、岩尾佳代子1、岡 哲雄1 (1:東海大・医・薬理、2:東海大・医・精神科、3:東海大・医・麻酔科)
      4. 「内在性オピオイドペプチドの抗侵害効果に及ぼすペプチダーゼ阻害剤の効果」
        北村 憲1、○金井昌之1、赤堀一仁1、中林 大1、高橋 滋1、矢野 広2、安藤英祐2、荒井美治1、岩尾佳代子1、小林広幸1、岡 哲雄1(1:東海大・医・薬理、2:東海大・医・精神科)
      5. 「モルヒネ禁断時のラット尾側中脳水道周囲灰白質プレプロエンケファリン mRNA 増加における転写調節因子の役割」
        ○福永優子、岸岡史郎、清水典史、深澤洋滋、宮本昌彦、前田武彦、山本博之 (和歌山県立医大・薬理)

    • 「ポスター発表」pdf
      1. 「電位依存性カルシウムチャネルβ3サブユニット欠損マウスにおける痛覚の検討」
        ○村上 学1、中川西 修2、只野 武2、谷内一彦3、渡邉建彦4、柳澤輝行1、木皿憲佐2 (1:東北大・医・分子薬理、2:東北薬大・薬理、3:東北大・医・臨床薬理、4:東北大・医・細胞薬理)
      2. 「ヒスタミン H1受容体と疼痛関連行動:H1受容体遺伝子ノックアウトマウスを用いた研究」
        ○Jalal Izadi Mobarakeh1、櫻田 忍2、渡辺 武3、渡邉建彦1、櫻井映子1、谷内一彦1 (1:東北大・医・薬理、2:東北薬大・機能形態、3:九州大・生体防御医学)
      3. 「脊髄腔内における ORL-1受容体の痛みへの関与 ― Nociceptin 及び非ペプチド性合成 ORL-1受容体拮抗剤を用いた薬理学的検討―」
        ○上野義信、朱雀鉄城、横井智規、中田恵理子、伊藤文隆、榑林陽一、長久 厚(ファイザー製薬・中央研・生物科学)
      4. 「選択的 ORL-1受容体リガンドの in vitro でのアゴニストおよびアンタゴニスト作用の検討」
        ○山田善也、朱雀鉄城、横山政幸、伊藤文隆、榑林陽一、長久 厚(ファイザー製薬・中央研・生物科学)
      5. 「新規オピオイドペプチドの抗侵害作用」
        ○萩原正樹1、岡山 徹1、宮前哲久1、森川忠則1、櫻田 司2、櫻田 忍3(1:富士薬品工業・研究部・薬理研、2:第一薬大・生化、3:東北薬大・機能形態)
      6. 「Endomorphins の健忘誘発作用機序」
        ○林 惠萍、鵜飼 良(名城大・薬・薬品作用)
      7. 「μオピオイド受容体ノックアウトマウスの行動薬理学的特性」
        ○船田正彦1、曽良一朗2、原 千高1(1:第一薬大・薬理、2:IRP,NIDA,NIH,Baltimore,MD,USA)
      8. 「ジヒドロエトルフィン含有経皮吸収製剤による鎮痛耐性と依存性に関する研究」
        ○大森悟史1、方 亮1、林 輝朗1、河瀬雅美2、斎藤節生2、森本雍憲1(1:城西大・薬・病院薬剤学、2:臨床薬物化学)
      9. 「マウス小腸蠕動運動に及ぼすデルモルフィン誘導体 H-Tyr-D-Arg-Phe-β-Ala-OH の抑制効果」
        ○新島富紀枝、高橋則男、中川西 修、只野 武、丹野孝一、木皿憲佐(東北薬大・薬理)
      10. 「ホルマリン足蹠内投与による脊髄内一酸化窒素の増加と L-NAME の効果」
        ○奥田一博1、櫻田 誓2、高橋三津雄1、山田達夫1、渡邊千寿子3、安藤隆一郎3、櫻田 司2(1:福岡大・医・内科健康管理、2:第一薬大・生化、3:東北薬大・実験動物センター)
      11. 「糖尿病マウスにおける endomorphin-1 および endomorphin-2 誘発抗侵害効果」
        ○圖子田 康1、長瀬 博2、亀井淳三1(1星薬大・医療第2、2東レ・医薬研)
      12. 「エピバチジン誘導体 ABT-594 の抗侵害作用」
        ○林 貴史1、轡 基治1、内山弘子1、鈴木奈緒子1、折戸 融1、新井絹恵1、米澤章彦1、櫻田 忍1、鈴木 勉2(1東北薬大・機能形態、2星薬大・薬品毒性)
      13. 「Nociceptin antagonist の鎮痛および学習促進作用」
        ○Jinsmaa Yunden1、高橋正克2、吉川正明1(1京都大・食糧科学研、2長崎大・薬学研究科)

    • 「主題(3-2)オピオイド研究の進歩と展望」pdf
       座長:
      中村秀雄(大日本製薬)
      長瀬 博(東レ・医薬研)
      1. 「(+)TAN-67 誘発侵害反応に対する各種 opioid 受容体作動薬の影響」
        ○矢島義識1、長瀬 博2、鈴木 勉1(1:星薬大・薬品毒性、2:東レ・医薬研)
      2. 「疼痛およびオピオイド鎮痛発現機構における IP3ならびにプロテインキナーゼ C の関与」
        ○成田 年1、2、溝口広一1、鈴木 勉2、長瀬 博3、Leon F.Tseng1(1:ウィスコンシン医科大・麻酔、2:星薬大・薬品毒性、3:東レ・医薬研)
      3. 「内因性 enkephalin 分解酵素阻害物質 spinorphin のラット海馬およびマウス輸精管における作用」
        ○小野秀樹1、山崎貴信1、高山仁子1、本多基子1、山本行男2、羽里忠彦2(1:東京理大・薬・薬理、2:東京都臨床研・分子腫瘍)
      4. 「システインプロテアーゼ阻害剤の脊髄ダイノルフィン系を介する侵害刺激抑制作用」
        ○丹野孝一1、平 亜希1、大島清史1、Lars Terenius2、木皿憲佐1(1:東北薬大・薬理、2:カロリンスカ研・臨床神経科学)
  • 概要
      

    会期 1999年9月2日(木)~ 9月3日(金)
    会場 仙台市青年文化センター
    宮城県仙台市
    世話人代表 東北薬科大学 機能形態学教室
       櫻田 忍
    〒981-8558 仙台市青葉区小松島 4-4-1
    Tel: 022(234)4181  Fax: 022(275)2013

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