第19回 鎮痛薬・オピオイドペプチドシンポジウム

東レ総合研修センター(静岡県三島市)に174名の方に参加いただいた。

主題1:
疼痛治療と麻薬の現状では疼痛治療の現状を臨床および基礎の立場から掘り下げ、今後の応用にまで言及された。
主題2:
オピオイド創薬の新展開では新規な構造を有するオピオイドの発見と展開、アロディニアのモデルとその機序についての討論がなされた。
主題3:
オピオイド研究の進歩と展望では最新のオピオイド研究に関する講演がなされ、さらなる発展が期待される。

招待講演は

(1)
Prof. Jerry G. Collins はオピオイドの末梢性鎮痛作用についてのデータを紹介し、末梢性鎮痛が臨床的にも重要であることを示され、新たな医薬品開発のヒントを与える講演であった。
(2)
Prof. Andrzej W. Lipkowski はメッセージアドレスの概念に基づく新規オピオイドペプチドアナログの合成とその薬理作用を披露し、聴衆に感銘をあたえた。

なお、講演要旨の残部がありますので、ご希望の方は東レ株式会社基礎研究所・上野新也までご連絡ください。(上野新也 記)

 東レ株式会社 基礎研究所
 〒248-8555 神奈川県鎌倉市手広1111
 TEL:0467(32)2111 FAX:0467(31)1437

  • 演題
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    • 「招待講演」pdf
      • 「Promises and Pitfalls of Peripheral Opiate Analgesia Research」
        Prof. Jerry G. Collins(Yale University・Department of Anesthesiology)
      • 「Opioid Peptide Analogues as a Potentially New Generation of Analgesics」
        Prof. Andrzej W. Lipkowski(Polish Academy of Sciences・Medical Research Center)

    • 「主題(1)「疼痛治療と麻薬の現状」pdf
       座長:
      岡 哲雄(東海大・医・薬理)
      小川節郎(駿河台日本大学病院・麻酔科)
      1. 「オピオイドペプチドの in vivo での効果に及ぼすペプチダーゼ阻害剤の影響」
        ○岡 哲雄,北村 憲,金井昌之,赤堀一仁,中林 大,荒井美治,岩尾佳代子,吉川正信,小林広幸(東海大・医・薬理)
      2. 「モルヒネ禁断時の尾側中脳水道周囲灰白質 preproenkephalin mRNA 増加における c-Fos の関与」
        ○福永優子,井上徳浩,宮本昌彦,前田武彦,岸岡史郎,山本博之(和歌山県立医大・薬理)
      3. 「慢性疼痛患者におけるドラッグチャレンジテストとその応用」
        ○花岡一雄(東京大・医・麻酔科)
      4. 「麻薬による疼痛治療の現状と問題点」
        ○小川節郎(駿河台日本大学病院・麻酔科)

    • 「主題(2)「オピオイド創薬の新展開」pdf
       座長:
      中村秀雄(大日本製薬)
      櫻田 忍(東北薬大・機能形態)
      1. 「マトリン型ルピンアルカロイドの抗侵害作用」
        肖 平1,久保 元1,東山公男1,○大宮 茂1,大澤匡弘2,亀井淳三2,長瀬 博3,李 家実4,閻 玉凝4(1:星薬大・医薬研,2:星薬大・医療薬学第2,3:東レ・基礎研,4:北京中医薬大)
      2. 「東南アジア産薬用植物Mitragyna speciosa に含有される新規鎮痛性インドールアルカロイドの化学的・薬理学的展開」
        ○高山廣光(千葉大・薬・薬用資源教育研)
      3. 「糖尿病マウスにみられる allodynia および hyperalgesia 発症機序」
        ○亀井淳三,大澤匡弘(星薬大・医療薬学第2)
      4. 「アロディニアの発現機構」
        ○南 敏明1,森 秀麿1,伊藤誠二2(1:大阪医大・麻酔科,2:関西医大・医化)

    • 「主題(3)オピオイド研究の進歩と展望」pdf
       座長(1~3):
      佐藤公道(京都大・薬・生体機能解析)
      野崎正勝(生産開発科学研)
       座長(4~9):
      鵜飼 良(名城大・薬・薬品作用)
      岸岡史郎(和歌山県立医大・薬理)
      1. 「クローン化オピオイド受容体発現細胞を用いたオピオイド「依存」現象形成に対する分子薬理学的検討」
        ○中川貴之,南 雅文,渡辺 豪,小澤 徹,佐藤公道(京都大・薬・生体機能解析)
      2. 「Human nociceptin/orphanin FQ 受容体におけるオピオイドリガンドのアゴニストおよびアンタゴニスト活性」
        ○関 貴弘,南 雅文,木村千晶,佐藤公道(京都大・薬・生体機能解析)
      3. 「Nociceptin 脊髄クモ膜下腔内投与による痛覚過敏反応について」
        ○勝山 壮1,櫻田 司2,轡 基治1,櫻田 忍1(1:東北薬大・機能形態,2:第一薬大・生化)
      4. 「ノシセプチン受容体およびタキキニン1遺伝子欠損マウスにおける末梢性発痛機構の解明」
        ○植田弘師1,井上 誠1,徳山尚吾1,吉田 明1,竹島 浩2,Andreas Zimmer3(1:長崎大・薬・分子薬理,2:東京大・医・薬理,3:NIMH)
      5.   
      6. 「オピオイド受容体およびG蛋白質αサブユニットに対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの効果」
        ○小林広幸,吉川正信,北村 憲,金井昌之,赤堀一仁,中林 大,岩尾佳代子,岡 哲雄(東海大・医・薬理)
      7.   
      8. 「κ受容体作動薬開発における副作用の留意点-CPP法と薬物弁別法を用いた検討から-」
        ○野村睦子,鈴木 勉,三澤美和(星薬大・薬理)
      9.   
      10. 「記憶過程に対する内在性μ-オピオイド受容体作動薬 endomorphins の作用」
        ○鵜飼 良,渡辺佳子,林 惠萍,亀山 勉(名城大・薬・薬品作用)
      11.   
      12. 「疼痛制御物質・Spinorphinの抗炎症効果」
        ○羽里忠彦、島村真里子、植木正彬、山本行男(都臨床医総研・化療)
  • 概要
      

    会期 1998年8月21日(金)~ 8月22日(土)
    会場 東レ総合研修センター 大講堂
    静岡県三島市
    世話人代表 東レ株式会社 基礎研究所
       長瀬 博
    〒248-8555 神奈川県鎌倉市手広1111
    Tel: 0267(32)9949  Fax: 0267(32)9949

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