第18回 鎮痛薬・オピオイドペプチドシンポジウム

京都市北文化会館に250名の方にご参加いただいた。

主題1:
ノシセプチン(Orphaninin FQ)とその受容体反応が広範囲かつ総合的に講演された日本で最初の企画であり、活発な討議があった。
主題2:
疼痛治療の現状を臨床および基礎の立場から掘り下げ、今後の展望まで言及された。
主題3:
最新のオピオイド研究に関する講演がなされ、さらなる発展が期待される。

招待講演は

(1)
砂本教授は人工境界脂質を組み込んだリポソームを用いる膜蛋白直接抽出・再構築による多彩な研究を披露され、聴衆に多大な感銘をあたえた。
(2)
木曽教授は基質遷移状態概念に基づくプロテアーゼ阻害薬の設計と合成を例に巧みなドラッグデザインを示され、示唆に富む講演であった。

なお、講演要旨の残部がありますので、ご希望の方は(財)生産開発科学研究所・野崎正勝までご連絡ください。(野崎記)

 (財)生産開発科学研究所
 〒606-0805 京都市左京区下鴨森本町15
 TEL:(075)781-1107

  • 演題
    PDF
    • 「招待講演」pdf
      • 「膜レセプター蛋白質研究への新しい方法論の提言」
        砂本順三教授(京都大・工・合成生物化学)
      • 「基質遷移状態からデザインされた阻害剤とプロテアーゼの分子認識機構」
        木曽良明教授(京都薬科大・薬品化学)

    • 「主題(1)「Nociceptin / Orphaninin FQ Receptor」pdf
       座長:
      植田弘師(長崎大・薬・分子薬理)
      川島誠一(都臨床研・遺伝情報)
      1. 「ociceptin脊髄クモ膜下腔内投与による疼痛関連行動について」
        ○井上誠a、勝山 壮b、桜田 忍b、丹野孝一c、木皿憲佐c、佐々木潤d、大場 優孝d、植田弘師a、桜田 誓e、桜田司e(a:長崎大・薬・分子薬理、b:東北薬大・機能形態、c:東北薬大・薬理、d:旭硝子・中央研、e:第一薬大・生化)
      2. 「糖尿病マウスの侵害受容閾値に対する nociceptin の効果」
        ○大澤匡弘、亀井淳三(星薬大・医療薬学第2)
      3. 「ノシセプチンペプチドの構造活性相関」
        ○下東康幸、畑野陵、中島理恵、野瀬 健a、朱雀鉄城a、西郷晶a、長久厚a (九州大・理・化学、a:ファイザー製薬・中研)
      4. 「Nociceptin関連リガンドの設計」
        ○Yunden Jinsmaa、吉川正明(京都大・食糧科研)
      5. 「変異型nociceptin受容体を用いたリガンド認識機構の解析」
        ○南雅文、関貴弘、上原知也、中川貴之、佐藤公道(京都大大学院・薬・生命薬科学)
      6. 「ノシセプチン/Orphanin FQ 受容体の情報伝達」
        ○植田弘師、徳山尚吾、井上 誠、柿澤慶子、入江圭一、山口拓、林田壮一郎、下平伊知郎、桜田司a(長崎大・薬・分子薬理、a:第一薬大・生化)
      7. 「Nociceptin/Orphanin前駆体遺伝子発現による神経細胞分化の誘導」
        斉藤祐見子、丸山敬、川野仁、川村光毅、西道隆臣、○川島誠一(都臨床研・遺伝情報)
      8. 「カラゲニン誘発の炎症性疼痛過敏におけるラット後根神経節でのprepronociceptin mRNAの発現誘導」
        ○安東嗣修、伊藤雅之、倉石 泰(富山医薬大・薬・薬作)

    • 「主題(2)「疼痛治療の現状と展望(臨床および基礎の立場から)」pdf
       座長:
      花岡一雄(東京大・医・麻酔)
      太田宗一郎(岐阜大・医・麻酔蘇生)
      1. 「急性痛・慢性痛の治療上の問題点」
        ○有田英子、花岡一雄(東京大・医・麻酔)
      2. 「髄腔内投与薬による spinal antinociception の可能性と問題点」
        表圭一(札幌医大・麻酔)
      3. 「疼痛治療における自律神経作動薬の役割」
        小川節郎(日本大・医・麻酔)
      4. 「モルヒネおよびα2アドレナリン作動薬の抗侵害作用について」
        ○太田宗一郎、土肥修司(岐阜大・医・麻酔蘇生)
      5. 「NMDA受容体非競合的拮抗薬ifenprodilのmorphine鎮痛補助剤としての有用性」
        鈴木 勉、○加藤英明、津田 誠、鈴木 肇*、三澤美和(星薬大・薬理、*:グレラン製薬・研開本部)
      6. 「オピオイドと中枢性の痒み」
        ○倉石泰、山口朋美、東田千尋*(富山医薬大・薬・薬品作用、*和漢薬研)
      7. 「オピオイドによる精神機能の調節」
        ○鵜飼良、亀山勉(名城大・薬・薬品作用)
      8. 「新規κ作動薬、TRK-820の薬理作用」
        ○遠藤 孝、松浦博敏、田嶋知子、田嶋 敦、泉本直樹、長瀬 博(東レ・基礎研)

    • 「主題(3)「オピオイド研究の進歩と展望」pdf
      1. 「クローン化オピオイド受容体発現細胞を用いた拮抗性鎮痛薬の薬理学的性質の解析」
        ○南 雅文、勝又清至、家永裕賀、佐藤公道(京都大院・薬学研究科)
      2. 「クローン化オピオイド受容体発現細胞における拮抗性鎮痛薬の「依存」現象形成および「禁断」現象誘発」
        ○木村千晶、勝又清至、南 雅文、佐藤公道(京都大院・薬学研究科)
      3. 「DAMGOによるm/kオピオイド受容体間識別に関与するアミノ酸残基の決定」
        ○関 貴弘、南 雅文、中川貴之、森貞亜紀子、佐藤公道(京都大院・薬学研究科)
      4. 「オピオイド受容体関連細胞情報伝達とアンチセンスオリゴヌクレオシド」
        ○北村 憲、吉川正信、岩尾佳代子、小林智美、金井昌之、赤堀一仁、中林 大、安藤順一郎、岡 哲雄(東海大・医・薬理)
      5. 「β-funaltrexamine methylsulfonate (β-FNA)によるm2-受容体遮断におけるGTPの関与」
        ○高柳一成、岡安綾子、小池勝夫、細木るみこ、鈴木 勉*(東邦大・薬・薬理、*:星薬大・薬理)
      6. 「アンチオピオイド Tyr-MIF-1 の脊髄腔内投与による抗鎮痛作用について」
        ○福永浩子1,高橋正克1,吉川正明2,金戸 洋3(1:長崎大・薬・医療情報分析,2:京都大・食糧科研,3:長崎大・薬)
      7. 「Gluten Exorphin Aの中枢作用」
        ○吉川正明、Yunden Jinsmaa、園田壮司、高橋正克*(京都大・食糧科研、*:長崎大・薬・医療情報分析)
      8. 「モルヒネ誘導体(KT-90およびKT-87)の制がん作用」
        ○末岡榮三朗、末岡尚子、岡部幸子、菅沼雅美、神津和子、小森敦正、兼松 顕*、藤木博太(埼玉がんセ・研、*:学位授与機構)
      9. 「疼痛制御物質・Spinorphinの抗炎症効果」
        ○羽里忠彦、島村真里子、植木正彬、山本行男(都臨床医総研・化療)
  • 概要
      

    会期 1997年8月28日(木)~ 8月29日(金)
    会場 京都市北文化会館
    京都市北区小山北上総町49-2
    (キタオオジタウン内)
    Tel: 075(493)0567
    世話人代表 財団法人 生産開発化学研究所
       野崎 正勝
    〒606-0805 京都市左京区下鴨森本町15
    Tel:075(781)1107  Fax:075(791)7659

▲ TOP